顔に泥を塗られ、後ろ足で砂を掛けられたの記

当社の得意先だったD合金から、営業担当として雇用していた社員が、突然この年末で退職する事になった。

D合金の経営破綻により、当社は4千万円近い債権を焦げ付かされ、しかも民事再生手続の不合理な仕打ちにより、僅かばかりの配当さえ回収出来なくなった

その社員の言い分はこうだ。

自分はD合金を引きずっていて万有に馴染めない

自分が思った様な営業の成果が上げられていない

自分の取って来た仕事の優先順位が低い

自分の退職の意思は固いので近々退職願を提出する。

加えて給与の締日迄は有給休暇を消化させて貰う。

数年前、D合金の社長は経営破綻した時、民事再生に至った経緯や言い訳をあれこれ並べた。

資金繰りがつかなくなったのは、民主党への政権交代によってアテにしていた補助金が下りるのが遅れたからだと、経営破綻を政権交代のせいにした。

それに対し私は、次の様に問い掛けた。

路頭に迷う貴社の従業員や取引先の迷惑を思うのなら、経営者として何故一踏ん張りしなかったのか?

頭を下げて関係先に手形ジャンプや支払猶予を求めなかったのか?

それが経営者として取るべき態度・行動ではないのか?

社長の回答は以下の様なものだった。

1ヶ月くらい支払猶予して貰っても、どうせ長く持たないから民事再生にした。

これを聞いて私は、この社長は普段羽振りの良い事を並べ立てていても、踏ん張るべきところで逃げるのだなと思った。

この社員を雇用するに至った経緯はいろいろあったが、少なくとも当社に勤める事で、少しでも当社の利益に貢献し、自身も路頭に迷うことは無かったはず。

D合金を通じて行なっていた電力関係の仕事は、福島第一原発事故とそれに伴う電力業界の事情激変で果々しくない状況である。

だからと言って、たかが入社2年目程度で成果が出るとは思ってはいない

この衆議院選挙で自民党に政権交代し、アベノミックスが利権のバラマキと批判されながらも経済活性化を目指す中、四の五のゴタクを並べる前にこここそが踏ん張りどころではなかったのか?

D合金を引きずっている云々と言うのなら、そのD合金が数年前に当社に多大な経済的損害を与えた事に少しは責任を感じるべきだ

引継ぎひとつせず、やり掛けの仕事を全て放り出し、賞与だけはしっかり貰う有休は消化する

こんな態度にその責任を感じているとは到底思えない

結局、踏ん張るべきところで逃げたと言う点で、社長もこの社員も同じだ

そう言う意味でD合金を引きずっているのだろう

とどのつまりは、当社は顔に泥を塗られ(D合金の経営破綻による債権焦付き)、後ろ足で砂を掛けられた(元社員による背信行為)のである。
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